たまりば

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四国お遍路日記~帰り道

2011年05月20日

今日は本当に暑い日でした。まるで夏のようです。

いま京都にいます。
ここしばらくは関西を旅行していました。

徳島港から和歌山港までフェリーで渡り、電車を乗り継いで高野山で一泊。

恵光院というお寺で生まれてはじめての宿坊宿泊を体験しました。
庭のみごとさと精進料理の美味しさに脱帽!胡麻豆腐最高!
朝はお勤めといって読経して頂いたり護摩焚き(火に経木をくべること)をして頂いたり。
心地よい充実した時間をすごしました。

朝食をいただいたあと、金剛峰寺の奥の院へ。
立派な木立からはとても大きな力を感じました。
お参りがおわり、お遍路としての一連の流れが完結しました。


ケーブルカーで下山。
南海電鉄で大阪のなんばへ移動。
御堂筋線で梅田へ。
阪神百貨店のデパ地下で、ちょぼ焼き・明石焼き・お好み焼き・ミックスジュースを頂く。
阪急京都線で京都の烏丸へ、そこから市営地下鉄で京都駅へ。
なんか路線名ばっかりですみません。完全に自己満足(苦笑)ですね。
関西の私鉄はそれぞれにカラーがあり、乗っていて本当に楽しかったです。


京都では東寺近くのゲストハウスに宿泊していました。
東寺の近くは下町らしい風情がありました。
銭湯の雰囲気。バイク屋さんの雰囲気。餃子屋さんの雰囲気。

京都滞在中はひたすらベタな名所(笑)ばかり巡ってました。
修学旅行生か外国人観光客ばりにせわしなく、自分にもこんな行動力があったんだと驚きです。

昨日は、京阪電車で出町柳へ、そっから叡山電鉄で鞍馬や貴船神社を観光しました。
新緑がとてもきれいでした。川の水のひんやりとした空気が心地よかったです。

三十三間堂ではこれでもかってほどの仏像!
なんだかいつか夢の中にあらわれてきそうなほどのインパクト。


今日は京都観光の最安便利アイテムである市バスの1DAYチケットを購入しました。

京都駅からバス移動。哲学の道を歩いて銀閣寺へ。
銀閣寺の雰囲気はとてもよかったです。
そっから金閣寺・竜安寺石庭・仁和寺・嵐山渡月橋・鈴虫寺。
行きたかったところにはほとんど行けましたが、あわただしかったです。
でも、それはそれでおなかいっぱい満足な一日でした!
消化不良には目をつぶって、やりきった感を思いきり感じようと思います。

そして今は京都駅近くのインターネットカフェの中にいます。
これから夜行バスに乗り、翌朝には新宿の雑踏にまぎれているはずです。


お遍路の途中で出会ったある人が言っていました。
四国遍路を歩きおわったときから、日常の遍路がはじまる。
非日常から日常に帰っても、やっぱり歩き続けているんだよ、と。

お遍路で感じた色や匂い、出会った人の優しさや温かさ。
それを大切なものとして心に残してゆきたいです。
そしてまた歩いてゆこうと思っています。


**************************************


いままで四国お遍路日記を読んでくださった皆さま、あらためてありがとうございました。
出てくる話題といえば、銭湯か乗り物か郷土料理ばかり(笑)
退屈されていた読者のかたも、さぞかし多かったことでしょう。
もうすこしお遍路そのもの掘り下げられたらよかったかなと思ったり
逆に、野宿で公園の滑り台で寝てたら犬の群れにかこまれた話をいれたらよかったかなと思ったり。
旅の体験を書くこと自体の気恥ずかしさも結構ありました。
文章も寄せあつめのようなぎこちなさが満載ですし。

でも、読み返してみて「あのときはこうだったな~」と感じられて楽しいです。
たいてい日記は続かないのですが、あたたかなコメントを頂いたおかげで続けることができました。
ありがとうございました。

新緑の季節、皆様がそれぞれの日々をお元気に過ごされるよう、心よりお祈りしています。

                             えだまめ














  


  • Posted by えだまめ at 22:04Comments(0)四国遍路

    四国お遍路日記~一巡

    2011年05月16日

    お遍路もついに88ヶ寺を歩きおえました。
    いまふたたび、遍路のスタート地点の徳島に来ています。
    ここは徳島駅前のビジネスホテル、3月に来たときと同じ宿にいます。

    四国での全行程を歩きおえて、すごく充たされた心地よい気分です。


    ここ最近は晴れていて歩きやすい天気でした。

    香川の志度寺近くでは観光温泉という大正時代から続いているという銭湯に入りました。
    外国製のタイル張りにステンドグラス、底のふかい浴槽。エキゾチック感を満喫しまくりでした。

    お風呂近くのお宅に泊めていただくことになり、小6の男の子のキャッチボールを見たり
    中1の女の子のバスケ部話をきいたり、小5の女の子と腕相撲をしたり
    みんなでトランプをしたり、罰ゲームをしたり。
    懐かしい遊びに笑いころげました!
    いつまでも続くような幸せな時間。


    翌日は88番札所の大窪寺に到着。
    山の新緑の空気を思いきり深呼吸。
    やっと歩きおえたんだと開放感にひたりました。
    ちょっとなかなかこの気持ちを言葉には出来ないです。

    そこからまた歩いて徳島にある1番札所まで戻りました。
    これで、お遍路としては四国一周となりました。
    戻ってこれたことの安らぎ感。なんか浜に回帰するウミガメみたいです。
    大きくてゆったりとしたリズムを感じています。
    季節の移り変わりのような、一日の流れのような、月の満ち欠けのような
    やがて帰れる場所に戻れたような感動があります。


    徳島では眉山ロープウェイに乗ったり、阿波踊りを見学したり踊ったり(笑)
    明日は高野山に移動、それから京都を経由して東京に向かう旅です。

    次は最後のお遍路日記になります。
    それでは、また!



      


  • Posted by えだまめ at 19:34Comments(2)四国遍路

    四国お遍路日記~うどん食べたい

    2011年05月11日

    お遍路もとうとう4ヶ国目の香川までやってきました!
    そして今は高松にいます。中心街にあるインターネットカフェが今夜の宿です。

    香川といえば讃岐うどん。
    四国の郷土料理にはまってる身としては飛びつかないワケがなく(笑)
    香川に入った瞬間にうどん屋さん行脚がスタートしました。
    1軒目のお店で麺のコシの強さにノックアウト。うまい!
    ショウガのおろし金が置いてあって、セルフなシステムなのもカルチャーショック。

    本屋でうどんガイドブックを購入し、うどん遍路の気持ちが高まる。

    金毘羅山の参道にあるうどん学校で、うどん打ちの修行もしてまいりました(笑)
    ひろし先生とまっちゃん先生という絶妙の夫婦漫才コンビみたいな講師に習い、最高でした!
    生地をこねて、包丁で切って、茹でて、釜揚げうどんにして頂きました。
    おいしいうどんの作り方。それは何回も"うどんが好き"と魔法みたいに唱えること。
    音楽にあわせてリズミカルにステップを踏んでうどんを足でこねる。
    楽しみながら創作することの喜びを学びました。

    うどんの白。
    温かくても冷たくてもおいしい。
    カレーうどんに焼きうどんにサラダうどん。
    「そばやラーメンなどの色物とは違うのよ、食べ飽きることがないのよ~」とまっちゃん先生は誇らしげ。
    うどんも蕎麦もラーメンも麺類はどれも好きですが。
    でも白い飯みたいに、どこか何にでも馴染んでしまうような懐っこい食材なんだろうなと思いました。

    うどん打ち修行の後は、食べ歩きにさらに熱がこもり、今日は5杯食べました。
    お店によってシステムが違って、麺だけを渡されて自分で茹でたり
    大根を好きなだけ自分でおろしたり、様々です。
    それぞれのお店に個性があるというか、お店が生きている感じがします。


    あと、今日は高松港からフェリーに乗って直島まで渡りました。
    直島はアートによる島興しで知られていて、島に接岸するとさっそく
    草間弥生さんのオブジェに出迎えられました。
    古民家を改築してアート作品や食堂になっていて、楽しめました。

    特に印象に残ったのは「南寺」という作品。
    建物のなかに入ると真っ暗で何にも見えないんです。暗黒の闇。
    でもそのうちに目が慣れてきて瞳孔が開きだす。
    そうしたら壁面にあるスクリーンが見えてくる。ただそれだけ。
    明るさや暗さについて、灯りについて、感じたり考えたり。

    あと「直島銭湯 I ラブ湯」これも印象的な銭湯でした。
    口では説明が難しいのですが、ひたすらモダンでした。
    男湯と女湯の真ん中に大きな象のオブジェ。

    なんか直島では、心も身体も静かに落ち着いてきた感じです。


    ここ数日は雨模様だったこともあり、道草してました。
    灰色の曇り空を眺めながら、遍路がおわるときの心境を考えています。
    どんなだろうなぁ?ちょっと(だいぶ)楽しみです。


    遍路も本当にあと少し、1日1日をうどんのようにつるっと噛みしめて
    最後まで楽しみながら踏みしめて歩こうと思います。
    おやすみなさい。お元気で。









      


  • Posted by えだまめ at 22:19Comments(2)四国遍路

    四国お遍路日記~シュラフ

    2011年05月04日

    愛媛もいよいよあとわずか、新居浜市にやってきました。

    松山からは海沿いの国道を歩いたり、実家に寄ったり
    石鎚山に登ったり、なんだかすごくいろいろな起伏を歩いてきました。

    5月に入って、だんだんとあたたかくなりました。
    歩いていると暑いくらいの日もあって、季節が変わってきてんだなぁと実感しています。

    まず、野宿が格段にしやすくなりました。寒さで眠りづらい日がへって
    結構平気で朝まで熟睡できたりもして、木々の匂いや水の轟音の中で
    眠ることの気持ちよさも感じるようになってきました。
    自然の中に身をおくことで、細胞が生き生きとよみがえってくるような感じがします。

    横峰寺から石鎚山へ向かうルートで道に迷ってしまいました。
    ゴツゴツした岩場でこけて、手のひらから血が出てきて、冷たい水と
    苔や土にまみれながら、地図を真剣に見てルートを考えて。
    無事に登山道に戻れたときのなんとも言えない安堵感。
    ありがとうありがとうと何度も口に出しました。たくさんのお地蔵さま。
    道に迷うことになった自分の判断の甘さを思い知ることにもなるのですが。

    ふもとの民宿に泊まって、翌朝に石鎚山の頂を目指して歩き出しました。
    山頂付近には雪が白く残っていて、とてもきれいでした。
    元来は高所恐怖症なので、鎖場はとても苦手なのですが、思い出作りに
    一区間だけよじ登って満足。とてもコワかったです。

    色々あっただけに、山頂にたどり着いたときの達成感といったらありませんでした。
    遠くの山々まで見渡せる空の青さ。吹きつける風の強さ。
    山頂小屋でいただいた飴湯の甘い味。

    ロープウェイで下山。
    新緑の鮮やかな若葉の色がきれいでした。

    登山口のバス停では、徳島と高知で何回かあったお遍路仲間に再会することができました。
    お遍路をしていると、不思議なもので出会ったりまた離れたり出会ったり。
    そんな人がいるんです。バス停に座ってた尼僧さんもそんな方で、いつも再会するたびに
    巡りあわせのありがたさを感じます。バスの窓から眺めた川の水の澄んだ色あい。
    ローカル駅のホームで待ちぼうけ。

    お互いの遍路でのきつかったことや楽しかったこと、悲喜こもごも
    震災のことなんかを話したりしながら、ゆっくりと遍路道を歩きました。

    遍路道ではときにお遍路のひとや地元の方と人生の断面を触れあうこともあります。
    それは時にとても生々しい痛みだったりもして。
    お互いに話を聞いてもらいながら歩くことができるのも、お遍路の良さだと思います。


    昨昨晩・昨晩と泊まった善根宿もとても印象的なところでした。
    87歳のおばあちゃんがひとりで切り盛りしていて、お遍路を歩きおえた人が
    宿り木のように戻ってくるところでした。そこで大阪から来ている
    探検部をされてたお兄ちゃんの遍路話をきいて、大いに刺激を受けました。

    まだまだお遍路は続くんだなぁと思っています。
    さあこれから香川、讃岐うどんをたらふく堪能してきたいです!
    新緑の季節、どうぞお元気でお過ごしください。










      


  • Posted by えだまめ at 11:17Comments(2)四国遍路

    四国お遍路日記~坊っちゃんと温泉

    2011年04月26日

    今日は本当に気持ちの良い天気でした。
    いまは松山に来ています。
    道後温泉のすぐ近くにあるライダーハウスに宿泊。
    湯上りのほかほかしたまんまです。

    松山はいままでお遍路をした中でも最高の町。
    若い人もお年よりもとても元気な町だと思います。
    路面電車に温泉にお城に正岡子規。書きたいことが多すぎて、なにから書くか迷います。

    ここの路面電車は素晴らしいです。
    今朝はまず"坊っちゃん列車"に乗りました。
    レトロ感のある車両。がたがた揺られて窓をあけると春の薫る風。
    若い車掌さんが3人、きびきびと働いていました。

    他におもに2種類の路面電車が走っています。
    オレンジ色の昭和っぽい車両と新鋭の低床車両。
    製造年代の違う車両が元気に走っているのに、とても感動します。
    原点を残して、使える車両は捨てずに大切に使い、新しいものを取り入れる。
    そんな気風が松山にはあると思います。
    若い人もお年よりも学生も背広の人も主婦も乗り込む市民の足となっています。

    遍路札所の石手寺に入ったときに、筆で大きく「皆一緒」と書かれていました。
    お互いを大切に思いながら、寄り添って生きている、そんな温かな風土を感じます。


    市内にはいたるところに、正岡子規の句碑を見かけます。
    正岡子規の俳句をみると、さまざまなことを感じます。
    美しい風景。なにげない日常。故郷を慕う気持ち。病の絶望感。くすっと笑えるユーモア。
    シンプルな言葉ですくない言葉数で表現される世界の深み。
    見たままを感じたままに写しだされる世界に、どんどん引き込まれてゆきます。

    子規堂を訪れると、晩年に正岡子規が描いた水彩の絵が展示されていました。
    亡くなるすこし前に描かれた糸瓜(へちま)の淡い緑色がとてもきれいで、不思議な感じがしました。
    仲間達を八百屋の野菜にたとえた作品には、子規の人にたいする眼差しを感じます。
    夏目漱石は柿にたとえられていました。味わい深く、渋い、と。

    松山は俳句の町といわれるだけあって、俳句甲子園とか俳句ポストとか、活動がさかんです。
    市民のかいた作品に、いいなぁと思ったり、そうだなぁと思ったり、違うよなと思ったり。
    いっぱしの評論家になった気分です。言葉のもつ小さくて豊かな世界に包まれて生活している
    松山の市民はとても素敵だと思います。


    ロープウェイにのって、松山城にも行きました。
    天守閣に登ると、観覧車や山々や海が見渡せて、もの凄い爽快感!


    久しぶりに理容室で散髪もしました。
    もっさり重たくなってた頭がさっぱり。
    シェービングクリームを塗りたくられてカミソリをあててもらう気持ち良さ。
    理容師のおじさんの素早い手つき。


    夕日にそまるオレンジ色の市電に乗って宿に戻る。
    支度をすませると、温泉近くの食堂でじゃこ天うどんを食べる。
    生真面目な顔で注文をとるバイトの高校生の女の子。


    道後温泉の本館は、昨晩・今晩と通っています。
    いくつかコースがあって、1階の大衆浴場の入浴と
    2階の広間で茶菓子とお茶とレンタル浴衣のセットを選ぶ。
    ここの温泉は本当に最高です。
    ちょうど良いお湯加減に身体がほぐれてゆく。
    お年寄りもおじさんも若いひとも、地元のひとも観光のひとも、刺青のひとも
    昨晩は皇室専用風呂を見学したりもして。
    ひとつの建物のなかで、老若男女が皆一緒になってお風呂に入る。
    たまった垢や汚れを洗い流して、新しい源泉が心からも身体からも湧きあがってくるように。


    ずいぶん夜も遅くなってしまいました。
    お遍路の途中のことも書きたかったのですが、ここまでにします。
    遍路はまだまだ続きます。ひとつひとつの出会いを大切にしてきたい。
    ではでは、おやすみなさい。


      


  • Posted by えだまめ at 00:51Comments(3)四国遍路

    四国お遍路日記~きまぐれ柑橘ロード

    2011年04月18日

    いよいよ遍路も3ヶ国目・愛媛に突入しました。
    今は宇和島に来ています。

    高知の宿毛から愛媛に抜ける遍路道は、峠越えの道でした。
    愛媛に入ると、建物のつくりも集落の様子も変わったことがわかりました。
    古い木造の建物が増えたこと、昔の街道の名残があること。
    昔の人たちも、きっと歩いて伊予の国の様子を感じていたことでしょう。
    どこか気持ちが和んでくるような景色です。

    桜の花びらを踏みながら歩く道。
    たんぽぽの綿毛がきれいだと思いました。
    おもえばここ数年、綿毛のことを気にしたこともなかった。
    やわらかな魂。
    昔、実家で見た車椅子の絵描きさんの絵の印象を思い出しました。
    それぞれがさまざまに生きている。
    お遍路ではきまぐれに色々なことを感じます。


    この辺の料理がまたとてもおいしいです。
    貝めしのおにぎりや麦味噌の海藻たっぷりの味噌汁、鯛めし、じゃこ天なんかを頂く。
    やっぱりその土地の料理を味わうことは大きな楽しみです。

    愛媛といえば柑橘も楽しみ。
    いままでお遍路では実にたくさん柑橘をいただきました。
    ポンカン、デコポン、小夏、土佐文旦、ユズ、すだち。
    歩いていると、お兄ちゃんもっていきなと言って、地元の人が親切に持たせてくれます。
    何を隠そう、みかん・柑橘は大好物。
    あたたかな色の皮をむくと、さわやかな香りが広がります。
    甘くて酸っぱい果実をたべると、元気がでてきます。


    今日は雨が降っていて身体が冷えていたのですが、市役所のパソコンを
    お借りしているうちに少しあたたまってきました。
    外は雨上がり、歩き遍路にとっては一時の雨宿りにもなりました。

    これからお遍路も後半がスタート!
    たくさん楽しみながら、お遍路を続けよう。




      


  • Posted by えだまめ at 12:07Comments(3)四国遍路

    四国お遍路日記~四万十川

    2011年04月12日

    四万十川のほとりの町・中村にやってきました。
    ここには10年程前に旅行したことがあります。
    今回、お遍路に出たのも昔の旅の記憶が
    残っていたからからだと思います。
    遍路道のルートからは少しそれるのですが
    ぜひ道草して寄りたい町でした。


    駅前でレンタサイクルを借りて、四万十川の上流へ向かいました。
    赤い大きな鉄橋を渡り、どんどんサイクリングロードを上流へ。
    木洩れ陽がさすくねくねした道を走って、佐田の沈下橋をこえると
    時間が止まってるのかなと思うような集落を抜ける道。
    鉱山をこえたら三里沈下橋に着きました。

    深い青と緑が混ざり合った水の色。ゆうゆうと蛇行してゆく川。
    水面を覗くと稚魚がたくさん泳いでいてアメンボが滑ってました。
    冷たい水の感触。岸には菜の花が咲いていました。


    河川敷でおにぎりを食べると中村温泉という名の銭湯に行きました。
    ここは富士山の絵のない簡素な造りでした。
    湯船の中にはじいちゃんが一人だけ(すぐに上がってしまった)。
    温度調節は難しいけど、気持ちの良いお湯加減でした。

    風呂上りにコーヒー牛乳を飲みながら番台のおばちゃんと世間話。
    ここは薪で焚くお風呂だよと教えてもらってボイラーを見せて頂きました。
    独特の重厚感が格好よすぎる。30年ほど前に火災で全焼したことを聞き
    「一生懸命やれば、なんでも出来るろう」と言ってもらった言葉が
    あたたかく響きました。猫のねねと遊んだり、おばちゃんとお客さんの
    会話をぼんやり聞きながら、のんびりしてました。


    高知市からの遍路道は、雨に降られたり、こけてズボンの両膝小僧が大破(笑)したり
    携帯電話を失くしかけたり、色々ありました。無人駅や公園の東屋に寝たりして長い夜。
    でも、歩くことに慣れてきて足の痛みや疲れをあまり感じなくなってきて
    シンプルに一日をお遍路で過ごすことが、とても楽しく感じるようになってきました。


    お遍路中には多くの人と知り合います。昨日は波の音が聞こえる古い民家に
    泊めさせて頂いて、サーフィンの話や勤めている高校の話を聞かせていただく。
    楽しい時間。色々な人がいる。人生は色々あってもいいんだなと思う。
    川の流れのように、蛇行しながら海へとたどりつくように、生きることができたらと思う。


    今日は中村でまったりして、明日から足摺岬を目指して遍路を続けます。
    もうそろそろ愛媛!頑張ろう!


      


  • Posted by えだまめ at 16:39Comments(2)四国遍路

    四国お遍路日記~太陽の市場

    2011年04月06日

    はるばる来たぜ、高知市街にやってきました。

    昨晩は、たまたまお声かけいただいたご家庭のお宅に宿泊させて頂きました。
    市営住宅の団地でおばあちゃんとおじさんと一緒でした。
    お食事にお風呂にテレビに色々なお話。
    本当にリラックスさせていただき、ありがとうございました。


    近くの停留所から市電・土佐電鉄に乗って高知の中心のはりまや橋に移動しました。
    歴史のある車両が持つアナログな乗り心地を堪能!
    オスロ車両の見分けがつかなかったのですが、人にたずねてみたら
    車両の中にそれぞれの車両について表示があるとのこと。
    大正時代に走った車両のリニューアルやポルトガルから渡ってきた車両なんかもあるらしい。
    お遍路道に戻るまで、あと一回だけ土佐電に乗るチャンスがあるので楽しみです。

    そこから歩いて高知城へ、花見を満喫しました。桜の花がきれいでした。
    高知の市街地も一望できて、ボランティアガイドさんから城の造りや
    坂本龍馬が住んでいたあたりを説明いただき楽しかったです。

    それからお城近くのひろめ市場の中にある食堂・明神丸で
    鰹のタタキ定食(塩)をいただく。目の前で大振りな鰹がワラで炙られてました。
    カツオのたたきがユズと合う合う!冷たいビールがまた最高にうまいのなんの!


    市場を出たところには、露天売りのひとたちがまったりと敷き布を広げて商売をしてました。
    雑貨やら野菜やら色とりどり。なんだか沖縄・東南アジア・インドの雰囲気。
    こころが海を越えてゆく感じがします。

    まっ昼間からまっかですが、華やかな春の酔いにまかせてお遍路を続けます。
      


  • Posted by えだまめ at 12:40Comments(2)四国遍路

    四国お遍路日記~(裏)街道をゆく

    2011年04月04日

    高知・土佐に入り、安芸という町にいます。

    太平洋沿いを歩くお遍路道は本当に気持ちが良くて
    海の青さと咲き始めの桜色を満喫しています。

    いままでより更にスローペースになってしまい
    結構な大名旅行、半日くらい歩いては気になるところに
    泊まってという感じです。


    先日はイルカと泳ぎました。室戸ドルフィンセンターという
    ところです。イルカの生態を説明いただいたあと
    生涯初のウェットスーツで海に入りました。
    2頭のイルカと2人の指導員の方と2人のお客さんで
    無心で追いかけっこ。背びれにつかまってイルカに乗ったお遍路さん(笑)
    大変に楽しい時間を過ごさせて頂きました。イルカの鳴き声が可愛かったです。


    ゲストハウスでも印象的なところに泊まりました。

    出羽島ゲストハウスは、徳島県の牟岐から船に乗ったところにある離島にあります。
    ご主人は、潜水士・サーファーからゲストハウスを始めた気さくな人です。
    料理は超絶品で、夕食は7分突きのご飯・茄子のお味噌汁・焼き魚・イカと大根の煮物
    ほうれん草のお浸し。朝食はお粥に梅干しと生姜とヒマラヤの岩塩をトッピング・ほうれん草のお浸しでした。
    古民家をご自身で改装されたそうで、その腕の良さにもびっくりでした。
    海のある自然が好きとのことで、ここ何年かの急激な環境変化についてお話を伺いました。
    反・核処理施設の活動の話も興味深かったです。何よりすごくリラックスできる宿でした。

    蔵空間は、歴史的建造物保存地区に指定されている、室戸の吉良川という街にあります。
    ここの街自体が本当にゆっくりとした時間がながれていて、とても気に入りました。
    神社では子供たちが元気に走り回っていて、建物を見ていたらおじちゃんがガイドしてくれたり
    デコポンくれたり、スーパーにも鮫がまるまる一匹売られていたり。徳屋というパン屋さんも
    最高に美味しかったです。昔ながらの機械で焼かれたこだわりの食パン。
    吉良川で育った蔵空間のご主人は、建築のお仕事で日本各地で働いたのち、また戻ってきたそうです。
    炭火でコーヒーを焙煎する様子を見させてもらったり、檜風呂に入ったり、屋根裏のいい感じの
    部屋に泊まったり、たくさんの楽しい体験をさせていただきました。


    クルマががんがん走る国道を外れて、昔ながらの裏通りを歩くことで感じられるものがあると思います。
    生活感だったり、土地ならではの匂い、水をはった田んぼ、地元の人のなにげない会話。
    きっと歩き遍路が出来たから感じられたことだと、ありがたく思ってます。

    高知・土佐での野望はぜひ叶えたい。
    1.鰹のたたきをたらふく食う。
    2.桂浜で寝そべる。
    3.高知市電に乗る(たしかノルウェー・オスロ市電の払い下げが走ってたはず)


    人はみんなきっと小さなかけら、心のともしびを消さないように
    元気に生きて行けたらということを、とある文で読みました。

    これから自分は何をしてゆこうかなと考えながら歩いてます。
    しばらくはまだ、元気にお遍路を続けたい。



      


  • Posted by えだまめ at 11:53Comments(2)四国遍路

    四国お遍路日記~ウミガメの浜へ

    2011年03月29日

    徳島の海辺の町、美海町・日和佐にいます。

    海が本当にきれいで感動しています。
    大浜海岸はウミガメが戻ってくる砂浜です。

    日和佐うみがめ博物館では、泳いでいるウミガメを見たり
    ピンポン玉みたいな卵を見たり、亀の甲羅を持ったりしました。
    甲羅の丈夫さと軽さに感動。蜂の巣状のハニカム構造であること
    2層構造であることなど、すごいなあと思いながら見ていました。
    この砂浜で産まれたウミガメは遠くカルフォル二ア沖まで泳いで
    また大浜海岸に帰ってくるらしいとのこと。ウミガメの歴史が55歳だとしたら
    人類の歴史は1歳とのこと。広くて大きなストーリーに胸を打たれる。


    町の様子もすごい好きです。古ぼけた商店街なんだけど活気がある。
    昔ながらの魚屋さんもあれば、新しい道の駅には足湯なんかもある。
    23番札所の薬王寺の隣には温泉があって、タイ式マッサージも受けました。
    善根宿はローカルバスの払い下げ。喫茶店のホットケーキの味。
    深い森。一期一会の明るい笑顔。

    空と海にとけるような、水平線の青い色。
    これからまた、新しい気持ちでお遍路を続けられそうです。






      


  • Posted by えだまめ at 10:27Comments(4)四国遍路

    四国お遍路日記~春の風・春の匂い

    2011年03月26日

    お遍路を始めてからはや5日目。

    ふたたび徳島市内にいます。
    いまは17番札所井戸寺と18番札所の恩山寺の間の
    大きな街道沿いのインターネットカフェの中です。


    お遍路をして良かったな~と思っています。
    四国・徳島の人は人懐っこいというかお遍路さんに優しいです。
    みかん畑で農作業をとめて話しをしてくれたおばあちゃん。
    通学途中にチャリから挨拶してくれる中高生のお兄ちゃん・お姉ちゃん諸君。
    うどんの食堂で娘さんの思い出話をしてくれたおじちゃん。
    たくさんの思い出深い出会いがあります。


    お接待といって、飴とかチョコとかきなこ餅とか苺とか
    色々なものを頂きました。優しい笑顔にそえられていただくので
    こちらもお蔭様で自然と笑顔で旅を続けられています。


    泊まるところは善根宿といって、お遍路さんに無料で提供してもらっている宿です。
    タクシー会社とか少し胡散臭い禅道場とか山小屋とかバリエーションに富んでいてまったく飽きず。
    同宿する人も尼僧さんとかお遍路の達人さんとか様々です。


    道端にはたくさんの菜の花が咲いています。
    歩きつかれたときに感じる黄色い光。
    山には梅の花。すっぱい匂いに春を感じます。


    もう何日かしたら海が見えると思うと楽しみです。ウミガメの気持ち。
    元気に旅を続けよう。


      


  • Posted by えだまめ at 10:28Comments(0)四国遍路

    四国お遍路日記~発心

    2011年03月21日

    いま徳島にいます。

    町田のアパートを出て中央線~紀勢線~南海フェリーを
    乗り継いでゆくローカル列車と船の旅でした。

    途中の小淵沢では連峰の頂の白い雪を眺めながら
    名物駅弁・高原野菜とカツの弁当を食べ、南紀新宮
    では雨天の中でアーケード野宿を決行、翌朝に
    晴れた太平洋の車窓を満喫していました。


    時間をかけて旅行をすることで感じられるもの。
    それは匂いだと思います。電車の待ち合わせ時間で
    降りたときの町の匂い・森や花の匂い・消毒液の匂い。
    いままで東京で慣れてきた感覚とは少し違う嗅覚。

    あと妙に涙もろくなりました。
    立ち寄った喫茶店で読んだ漫画で泣いたり、なんてことない親子の
    遊びを見て泣いたり、笑ったり。これまでちょっと感情にフタを
    してたんかなぁと思うほど。固い心がフワフワになってく様。


    徳島はすこし歩いただけで気に入りました。

    眉山のまるっこい形。川沿いの公園。
    商店街のお店が個性的なところ。
    道をきいたら親切に返してくれる人たち。
    自転車と歩行者のゾーニングが徹底していること。
    鳴門金時・すだち・阿波地鶏・藍染。
    すごーく優しい町という印象です。
    地方都市を見続けて34年の私が言うから
    まず間違いありません(笑)


    今日は小雨の肌寒い天気です。
    明日からお遍路がいよいよ本格スタート!
    温かくなればいいな。気をつけて行ってきます。







      


  • Posted by えだまめ at 19:42Comments(2)四国遍路

    四国お遍路日記・前編~パッキング

    2011年03月18日

    いよいよ、順調にいけば明日から四国にお遍路に行ってきます!

    荷造りと準備、寝袋に1人用テントに服に歯ブラシにヘッドランプ
    なんか色々と抜けているような気がする。携帯充電器に非常食。まだまだ。
    小さめのバックパックに詰め込んで組み替えて。わくわく。

    桜が咲く頃に無性に旅に出たくなる。どきどきどき。


    昨日から東北地方太平洋沖地震へ寄付を始めました。
    国境なき子供たちというNGOです。

      


  • Posted by えだまめ at 17:35Comments(6)四国遍路