たまりば

地域と私・始めの一歩塾 地域と私・始めの一歩塾三鷹市 三鷹市

スポンサーリンク

上記の広告は、60日以上更新がないブログに表示されています。
新たに記事を投稿することで、広告を消すことができます。  

Posted by たまりば運営事務局 at

おかやま風景~小雨

2018年09月06日

気仙沼からは盛ゆきのBRT。


あおい海が見えてきた。

あらたな堤防とかさ上げの盛り土、つくりかけの街。

がらんどうに壊れた窓のない廃墟、奇跡の一本松。

よく晴れた空のした、痛ましい風景がつづく。



陸前高田のバス停に到着。

バイト友達のお母さんが、そこに立っていてくれた。


初めてお会いする方、でも友人にそっくりで、とても安心感のある人だった。

はじめまして。よく来てくれましたね。

ありふれた優しい言葉がこぼれるような声で。



とめてあった軽自動車を運転してもらって、高台にある団地のお宅へ。

陸前高田の景色が見渡せるところ。

駐車場で、お父さんと会う。おだやかな表情。

かざらない東北のひと。



玄関から、居間に通してもらう。


そこには、すこしかしげた友達の遺影があった。


ひろい大根畑で、一緒にがんばって収穫したことを思い出した。

鮮やかな手拭いで、声をかけあって、笑顔。




お母さんが、娘の好物だったんだと、冷麺をだしてくれた。


キムチと白ゴマをのせて、しゃきっとした麺をすすった。

なんだか、とても、とてもおいしすぎて、うれしくて。

アルバムをながめながら、お父さん、お母さんと、おもいでばなしを、ぽつりぽつり。


友達への想いがにじみでる、優しいとき。


あっというまに、たくさんの時間を過ごした。

どうも、ありがとうございました。



今度はお父さんに、車で陸前高田のバス停まで。




手をふって、しばらく待って、気仙沼ゆきのBRT。


駅からとぼとぼ歩いて港のほうへ。

ふるい旅館、金港館へ。


おばあちゃんが、いらっしゃいませ、ようこそ、と対応してくれた。

木造の味わいぶかい旅館。


あとで若おかみに聞いたら、かなり津波につかったとのこと。

がんぱっぺ気仙沼のハッピ、営業まで辿り着いた苦労は想像もつかない。

ここで一泊、お世話になれてよかった。



夕べの散策へ。


港ぞい、漁港施設へと歩く。

まだまだ津波の傷痕は癒えないまま。

それでも、動き出している生活を感じる。


おじさんや若者が、釣り糸を垂らしていた。


晩ごはん、何をたべようかな、とうろうろしていたら懐かしい家にともる灯り。

あぁ~、前にボランティアでおとずれた雀荘だ!

そのときは一階が壊滅していて、二階を片付けたんだった。


おそるおそる玄関をあけてみる。


そしたら、地元のおっちゃんたちが麻雀に熱中していた。

わぁ~、なんだかこちらまで胸が熱くなってきた。

うれしすぎて、じ~ん!


お客さんのひとりに声をあけたら、お客さんだよ~と奥にいたお母さんに声をかけてくれた。

どうぞ、どうぞ、いらっしゃい、と居間に通してくれた。

おじいちゃんもソファーにぽんっと座っていた。


手づくりのしそジュースが酸っぱくて、おいしかった。

あのときはいっぱいいっぱいだったけど、ようやくここまで来たよ、って。

お家の広島は大丈夫だった?って気遣ってくれたりして。


お元気な姿に、ただただ胸いっぱいになりっぱなし。

再会のうれしさ、がこんなに大きいなんて。


どうも、ありがとうございました。



帰り道、ラーメンと小ライスをたべて金港館へ。


お風呂に入ったらぽかぽか。

テレビを消して、夜の闇へ。




朝ごはん、しっかりご飯をたべて、若おかみにごあいさつ。

しゃきっとしたすてきなとき。行ってらっしゃい。


帰りの電車はずっと小雨。


一ノ関、小牛田、仙台、福島、郡山、新白河、黒磯、宇都宮、赤羽、新宿、新百合、鶴川。


とてもとても長い旅。

悲しくて、流れて溶けだす車窓。



帰りぎわ、赤羽の近くで、陸前高田の友達のお母さんから、来てくれてありがとう、ってメールをいただく。


うれしくて、感謝、優しいことば。



おかやま風景、なんだか、とても思い出ぶかい旅になりました。


岡山から北陸、みちのく、ずいぶん長い道のりでした。


読んでいただいて、ありがとうございました。  


  • Posted by えだまめ at 19:37Comments(0)おかやま風景

    おかやま風景~細道をゆく

    2018年09月03日

    みちのく、くねった細道をゆく。


    酒田駅のロータリーからは代行バス。


    庄内平野の田園風景をぬけ、最上川をしばらく上流へ。

    途中、幾つかの駅によってゆく。たくさん人がのってきて、しばらくしたら満員に。

    水害の影響もあって、陸羽西線は不通。




    新庄についたら、新庄祭りが開催されていた。

    神主さんや天狗さま、それぞれの装いをまとった行列。

    観客もたくさん。人たちのあいだにすき間を見つけて観る。


    長い時間ではなかったけれど、鮮やかな印象を心に残す、みちのくの祭り。


    新庄駅のホーム。山形新幹線と在来線の奥羽本線が並列にならぶ。


    普通列車の車両、ひとがふえてゆく。


    小学4年生くらいの男の子とおばあちゃん。

    はたちすぎくらいの女の子ふたり、買い物にゆくのかな。

    車窓には緑、とても深い色。そしてやわらかな気持ちになる。



    山形について、足で宿をさがす。

    時に、街によっては、予約サイトよりも安くて、その土地にしかない、家庭的なビジネスホテルがあったりする。

    フロントでたずねたら、それだけであたたかな雰囲気に癒されたりする。


    今回も、そんなステキな宿に出会えてよかった。ラッキー。



    バスで、天童にゆく。

    電車とは違って、くねくねと細い道にも入って、よりたしかにその地を味わえる、路線バス。


    将棋クラブだったからか、資料館も、ところどころの橋桁やマンホール、足元の詰め将棋のタイルが、ツボに入る。

    それにしても、詰め将棋、難しい‥。


    帰りのバスは、ちょっと眠たい、うとうとしながら、山形をながめる。


    お堀ぎわから、城跡へ。

    冷やしラーメンを食べに、食堂へ。

    トマトやきゅうりも入ってるけど、れっきとした醤油ラーメン。

    冷やし中華とは違う意味で、すっきり。

    酸味がなくても、これはこれでいけるな。


    そのあとも環状バスにのったりして、また歩いて、夜の赤提灯、いも煮を食べてしめた。

    いも煮、季節はちょっと先取りだったけど、めちゃくちゃうまかった!



    翌朝はやく、ホテルの朝食。

    そもそも米がおいしいし、だし、という野菜のみじん切りもおかずもうまいのだ。

    それに加えて、味噌汁も、焼き鮭も、なんか山形めしすべてがおいしいと思った。


    仙山線で、山寺へ。


    したたる小雨。のぼってゆく立石寺の階段。

    途中で雨がやんで、描きだされる雲の模様。

    かつて芭蕉がおとずれた地にいる。

    谷あいの景色がまぶたに。


    雫。森の匂い。しっとりと潤う心・身体。



    降りてゆくと、おみやげ物屋さんで、玉こんにゃく。

    お皿にのせて、辛子もつけて。

    これもおいしい、おいしい。山形めし、決定的にうまい。


    ふたたび降りだした雨を、山寺駅のホームからながめる。


    ここから仙台へゆくのだ。


    深い森のなか、トンネルをぬけてゆく。

    ながい歴史を想像しながら。



    おおきな街、仙台。

    ながく張り巡らされた歩道橋に興奮。


    あらかじめWeb予約していたビジネスホテルへ。

    地下鉄東西線で国際センターへ。

    あぁ、都会だなぁ、とか思う、オノボリさん。


    木々のあいだをぬけて青葉城にむかう。



    広瀬川から急な崖地になっていて、市街のいい眺め。


    立派な伊達政宗の騎馬像。かっこいい!

    形のバランスも、三日月のかぶとも。

    そのあとでたべたずんだ団子も美味。

    おいしすぎて、二本目もおかわりしてしまったよ。


    坂をおりてみた仙台博物館もナイス展示。

    常設展には、仙台の歴史。支倉遣欧使節団の内容が充実していた。そのうえ企画展は、アンデス展。


    なんだか、頭のなかが不可思議な世界に包まれてきたような。

    ループルという巡回バスにのって、仙台駅へむかう。


    ところどころに公園があって、なんだかやっぱり杜の都だなぁって思う。

    子どものころ、よく仙台の地図を眺めていたのを思い出す。ポケット日本地図。


    ロフトで筆ペンと香典袋をかって、アーケードの仏壇屋で数珠を、藤崎で悩んだ末にモロゾフの焼き菓子を購入。



    明日は、陸前高田。いよいよ旅も終盤になってきた。  


  • Posted by えだまめ at 20:58Comments(0)おかやま風景

    おかやま風景~日本海

    2018年08月25日

    富山~新潟~酒田と、日本海がわを北へ。



    富山では、路面電車にのったり、富山地方鉄道にのったり。

    地鉄、ナイスなレトロ車両がたくさん走ってて。

    稲荷町という駅で、しばらくずっと撮影していました。

    感動、感動。大切に乗られていることに感謝。


    しょっぱいブラックラーメンの味。

    富山は、学生のころのたしか3月、親不知を歩いて旅した、思い出の地。

    親切にしてもらったり、そのとき食べたふるい駅ビルでのモーニング、憧れのひとが住んでいた街。

    たいせつなことを、思い出すようなとき。




    翌朝、地鉄で新魚津まで。

    夏の立山連峰もくっきりみえて、いい朝。

    通勤風景、扇子をあおぐひとが多いなぁ。



    そこから、第3セクターでゆく。泊、糸魚川、直江津と。

    駅弁の鱒のすしが朝ごはん、贅沢。

    あおい日本海をながめつつ。



    直江津から久しぶりのJR。


    越後線で吉田。

    旅人にとっては、いい意味で、取り残されたような街。

    地元のひとに道をたずねて、探しあてた店の、焼きそば。

    太麺で、食べごたえあった。ごちそうさま。


    ふたたび吉田駅。

    弥彦線は、乗車のみ。


    ひろがる田んぼに、朱色の大鳥居。たかい弥彦山。


    のぼったら佐渡がみえるという。いいなぁ。


    新潟に近づくにつれて、ひとが増えてきた。

    とくに学生たち。新潟大生かな。



    車窓からみえてきた市街地。

    おおきな街。レインボータワーの虹の模様。


    観光案内所でたずねて、信濃川の対岸、古町にあるビジネスホテルへ。

    さっそくシャワーあびて、また外出。




    萬代橋。ゆきかう人たちと自転車、銀色のバス。

    しみじみとするひととき。



    バスセンターでは、さっきみえたレインボータワー。

    もう取り壊しというから、見おさめだろう。


    それにしても、存在感ある。

    かつて眺めた写真集のことを思う。

    いつも空をみあげて、光を探していた写真家。

    心になかにある光。自分にも、きっと。



    友達と駅近い居酒屋に呑みに。

    枝豆もお酒も味噌の焼おにぎりも絶品。

    たくさん話せて、楽しかった!ありがとう!




    翌日はひとり、ほうぼう、酒蔵とか、周遊バスに、アート展、いい感じに観光。


    そして、また夜に、沖永良部でのバイト仲間と飲みに。

    鯛めしに、枝豆に、こちらも美味。

    なんだか恵まれてるなぁ。

    すてきなひととき、どうもありがとう。



    翌日、バスで新潟駅。


    そこから、白新線、新発田。羽越線、村上。

    台風の影響で、灰色の日本海の車窓。


    灰色という言葉では表現しきれない深みのある色。


    青いしましまのレトロ車両、良かった。


    庄内の田んぼ風景をながめて酒田へ。


    絵かきさんの友達の故郷。




    ふるい港町。

    北前船の西回りの航路が通るところ。

    おかやまの下津井のみなとから、ここまで繋がってるのだ。


    日和山公園に、ワンタンメン、すてきな海の街。


    宿の窓からは操車場。

    鳥海山。上のほうはくもってて残念、だけど、満喫。



    今日からは、最上川をのぼって山形方面。

    奥の細道の旅。



    それでは、また。  


  • Posted by えだまめ at 05:50Comments(0)おかやま風景

    おかやま風景~潮風

    2018年08月20日

    おかやまでの仕事がおわって、北陸へ旅しています。


    鈍行をのりついで、福井で一泊。

    ソースかつ丼をたべて、夜の散歩。

    駅前や城跡のまわりをうろつく。


    晩はテレビで映画、君の膵臓を食べたい。

    胸がぎゅんぎゅんきた。


    朝はホテルバイキング。


    えちぜん鉄道にのって三国。京福バスで東尋坊。


    けっこう迫力ある。絶壁の柱状摂理。


    遊覧船にのって、日本海へ。

    潮風あおいいろ。さわやかな航海。


    海産物屋さんで海鮮丼たべて、ふたたびバスで芦原温泉。


    そこから金沢へ。

    駅近くのふるいビジネスホテル。

    荷物をおいて、香林坊から犀川のあたり。


    金沢21世紀美術館、屋外展示かっこよかった!


    浅野川のほうまで、ふるい街並み、ぶらぶらと。

    駅前で晩ごはんを食べる。

    なんだか以前より、すごく都会になってて、ちょっとさびしい。


    タワレコで視聴しながら、サザンを口づさむ。


    コンビニでペットボトルのお茶とお菓子、シロクマ。


    テレビでセットコントみたいな番組で星野源のファミリーソングを高畑充希さんが、お父さん姿でカバーしていた。


    とてもソウルフルで優しい歌声。

    胸がぐっときて、涙がにじんだ。


    こんな夜もいいな。


    これからしばらく北陸から岩手の陸前高田へむけて鈍行旅。


    若くして亡くなった、バイト友達の弔いも出来たらと思っています。


    明日、次の街は、富山。

    私鉄の鉄道王国にブラックラーメン。楽しみです。

    夏の北陸、ええのう。


    おやすみなさい。  


  • Posted by えだまめ at 23:39Comments(0)おかやま風景

    おかやま風景~心音

    2018年08月17日

    心音みたいに響く鼓動。


    夕闇にとけるやぐらから聞こえてくる。


    いつになく真面目な眼ざしで太鼓をたたく子どもたち。

    農家さんの子も、そのなかにいました。

    声をあげて、腕に力をいれて、えいっと。


    永遠と瞬間。

    備中たかはし松山踊り、紡がれる長い歴史のなか。



    出番をおえて、にぎやかな通りのなかへ。


    かき氷、焼きそば、冷やしパイナップル。

    たくさんの露店をながめたり、おんぶしたりして。




    あぁ、なんだか生きている心地がする。

    笠をかぶった大人たちの踊りの揺らめき。


    ゆっくりと夜が更けてゆきました。



    高梁での日々も、もうちょっと。

    この前のお休みの、児島~下津井の、風の道、廃線跡歩きも、いいひとときでした(^^)v


    あと数日、がんばって、楽しんで過ごしたいと思います。  


  • Posted by えだまめ at 19:21Comments(0)おかやま風景

    おかやま風景~夏の花

    2018年08月05日

    休みの日、電車にのってぶらぶらと。


    代行バスから、また伯備線が走るようになりました。


    岡山でのりついで、邑久まで。

    以前、インドでであった、N君がコックをしてる店、アルバンモー。


    田んぼのまんなかにある古民家。

    真っ黄色に咲いた夏のひまわり。


    年季の入った木のテーブル。透明なガラスにかざられた一輪の花。


    えだまめさん、ビートルズ好きでしたよね、とアビーロードをかけてくれた。


    地元食材の数々。美作の米。車麩のフライ。夏野菜のラタトゥイユ。きゅうりのピクルス。茄子のスープ。サラダ。しそジュース。

    どれも優しい、おいしい味がした。ごちそうさまでした。


    帰り道は、岡山で、うらじゃという踊りの祭りを見たりして。

    ふたたびかえってきた農家。なんだかおちつく。



    とても暑い高梁ですが、浸かった畑をちょっとずつ、手をいれながら、作業しています。

    もうとれなくなった野菜もあるけれど。


    飲みもののんで、麦わら帽をかぶって、すこしずつ。


    咲く花にありがとう。あざやかな夏の色。  


  • Posted by えだまめ at 20:45Comments(0)おかやま風景

    おかやま風景~ふたたび

    2018年07月30日

    ふたたび岡山・高梁へ。


    静かに川面に手をあわせる窓辺。まぶしい夏の陽。


    代行バスの車窓からは崩れた崖。倒れた木々。壊れた家。


    胸が痛んで、目を背けたくなるけれど、しっかり見なくては、と思う。

    蛇行しながら流れてゆく川。



    駅から、まるで慣れた道を通って家まで。

    玄関で三兄弟が出迎えてくれて、抱っこしたりして。

    なんだかほっとした。


    少しでも、力になれますように。









    新宿から夜行バス。岡山から倉敷まで電車。


    大原美術館に再訪。初めて観たときより、落ち着いて観られた。

    好きな絵をじっくり観られる幸せ。


    桃シャーベット、桃パフェ、旬の味覚。


    倉敷から総社へ。

    喫茶店で桃タルト、アイスコーヒー。

    水害の日々の話を伺う。


    気になる店も発見。

    いつか訪れることが出来るのだろうか。


    総社から代行バス。

    長い移動の日となった。


    ゆっくり眠りたい。  


  • Posted by えだまめ at 20:17Comments(0)おかやま風景

    おかやま風景~風の街

    2018年07月09日

    6月28日




    あとひと息。


    じぐざぐじぐざぐ、坂をのぼってゆく。

    深い森のなかを分けいる。汗がふきだす。



    図書館のトイレをかりて、浄土寺の本堂にお参りして。

    墓場の脇をぬけて、鎖場をおそるおそる。


    坂にはいくつものお地蔵さま。赤いよだれ掛け、って言っていいのかな。


    頂上についたら展望台。

    螺旋階段をのぼってゆく。


    視界には、まるでミニチュアの尾道の街が広がっていた。

    寺の灰色の甍。行き交う船。走る電車。

    川のような海。遠く近くの山々。浮かんでいる大小の島。

    朝の薄曇りが晴れてきて、今日も暑くなりそうだ。

    海は森を映し出すような緑。澄んだ空の青。


    さみしいひとり歩き、というなかれ。

    心にうかぶのは、とびきり大好きなお好み焼きなのだ。

    時の感覚がはやくなる下り坂。遠足みたい、なんとなく。


    寺の参道から、山陽線の高架下、いなたい昼間のスナック街。

    ここにあるのは、おばあちゃんふたりの営んでいるお好み焼き屋さん、村上。

    今日はおばあちゃん1人と近所のひとっぽいおじちゃんだったけど。


    山盛りのキャベツのボール。卵。豚肉。そば。

    それと砂ずり。

    生地をひろげてジューッと別々に焼いてゆく。

    層状に重ねて、小手でジュジュっとかるくつぶす。


    お兄ちゃん、と言われて何気ない話。隣の役場勤め風のお客さんも入ってきたりして。カープねた、今晩のナイター。

    おばあちゃんが焼いて、おじちゃんがソース、鰹節、青のり。


    鉄板にはお好み焼き、セルフで小手でわけて、取り皿にのせる。

    いただきま~す。


    もぐもぐもぐ。うむ、ふっくら加減が絶妙、おいしい!

    濃いめのソースの絡む具もいい感じ。おいしいおいしい。

    もしかしたらもっとおいしいお店あるかもだけど、大鉄板のカウンターに4人も座ればいっばいに。

    気楽な心、あったかい村上の味に胃袋をつかまれている。

    自分にとっての、ふるさとの味。




    おばあちゃん、元気でね、って思う。


    ごちそうさま、って言って、外にでる。

    古寺めぐりをしながら、階段をのぼりつ、くだりつ。

    鐘のした、あくびしたりする猫と目があって、ご挨拶。



    年配のかたの買い物袋を持ちましょうかという若い女の子。

    どんどんのぼって千光寺の石段をのぼってゆく。


    歩道橋にたまって立ち話する若者たち。

    眼下の線路ぎわ、夏服の高校生、白いシャツ、丈のながいスカート、自転車の風、ひるがえしながら。


    のぼりきったら、ロープウェイで一気にくだる。


    ながい商店街のアーケードをあるいてゆく。


    七夕の色とりどりの想い、風にゆられながら。



    絵はがきを探しまわって、書道用品店で見つかる。


    切手は尾道郵便局。絵のまち商店街の喫茶店に入る。

    カフェオレ、グラスのミルクとかちわり氷、熱いコーヒーを注ぐ。

    香りだかくておいしい!


    1通ずつ、青いペンで書いてゆく。

    すいすい書いてゆく、上手じゃなくても、良しとしよう。

    かきおえたら、薄くなっていたカフェオレ。


    投函、無事に届きますように。




    夕方の桟橋。


    行き帰りする人、車、スクーター。


    往復するフェリーの短い航路。

    ありふれた暮らしに、ほのかな陽が灯るようなときだった。






    いま、町田・鶴川に帰ってきて、西日本の水害に衝撃を受けています。

    実家のある瀬戸内、友人知人のいる広島各地、働いていた岡山・愛媛。




    どうか悲しみが少しでもやわらぎますように。

    心のそばの大切なもの、大切な人が、ひとつに出会えますように。  


  • Posted by えだまめ at 21:07Comments(0)おかやま風景

    おかやま風景~青と緑

    2018年06月28日

    おだやかなせとうちの海、島の風景。


    船の音をききながら、柑橘畑から、みなとの桟橋へ、古寺の桟橋へ。

    歩いてたら、青々と6月の緑の匂い、夏へ向かう朝。





    ひさしぶりに実家のまわりを散歩しました。

    ちいさな島。


    たまたま来た、1日4本しかないバスにのる。

    黄色い帽子の子どもたちが何人か、楽しそうにおしゃべりするなか。

    坂道をのぼってゆく。


    隣の生口島へわたる橋からは、川のような海峡が見渡せる。

    6月の海の色。青に深緑をまぜあわせたような。

    レモンがなっている木も見かけた。

    たいていの柑橘にはちいさな緑の実。


    この季節、なかなか来ることがないので、へぇ、と思う。



    バス停で子どもたちも自分も降りてゆく。

    見まもりのおじいさんたちの姿。



    富山でのことを思う。


    いまこうして、歩いている人たちがまぶしく見える。

    どうか、ぶじに、平穏な心が、分け隔てなく、誰にもと。

    そんなこと、あるはずもないかも知れないけれど、きっと。


    悲しみも安らぎも、ないまぜな気持ちで歩いた。


    古い商店街をてくてくと。


    寂れたなかにも、古民家の喫茶店があったり。

    汐待の港として栄えた名残の、立派な建物もあったりで、いい感じ。


    瀬戸田港。

    乗るわけではないけれど、尾道ゆきの船を見おくる。


    着くひとの姿、行くひとの姿。そしてそれを見届けけるひと、何げなくみなとに漂うひともいて。


    汽笛とともに出航。


    今日はなんだかいい朝だな、と思う。


    海沿いのみちを歩いて、向上寺の参道へ。


    石段をのぼる。紫陽花が咲いていた。


    眼下には、おだやかな瀬戸内海がみえた。

    言葉にならない声をあげて、息をふかくすいこんだ。




    両親と因島まで出かけて、お好み焼きやで食べたり。

    夜はテレビで、カープのナイターや、サッカーみたり。


    のんびりの日々を過ごしています。  


  • Posted by えだまめ at 07:47Comments(0)おかやま風景

    おかやま風景~まるを描く

    2018年06月25日

    そっとコンパスに手をそえて。


    ちいさな指先から幾つもの円が描かれてゆく。


    ときにゆがんだり、はみ出したりしながらも。


    兄ちゃん、と呼ばれてた僕と、彼ら。


    彼らは、勝手に部屋に入ってきてはかくれんぼ。

    思わぬベッドの下や、扉のかげ。


    わっと大声をあげて、僕の肝を冷やそうとする。

    そのたびに熱くなるような気持ちに、内心なっていた。


    一緒にテレビでみたサッカーや、映画。


    けん玉の技をつぎつぎと披露してくれたり。


    きっともっと言いたいこともあるだろうけど。

    ただただ甘えてきて、抱っこしてみたり。




    さまざまに回想しながら。


    高梁でのトマトの日々がおわり、いまは尾道の実家にきています。


    途中、岡山で小1の頃に通っていた小学校にも寄ってみました。

    道をたずねては、たどり着いた校門。


    ちょうどプールの季節の、にぎやかな声。


    子どものころへ、時をかけるような、懐かしい感じ。


    バスで岡山までもどって、しばらくまた歩いて。




    なかなか言葉にならないままですが、とても充実した、おかやま風景でした。

    時々、高梁から、声がきこえてくる気がしながら。


    近所のおばぁちゃんの、じゃろう、じゃろう、って柔らかなひびき。


    優しさに包まれた岡山の日々、どうもありがとうございました!



    あとしばらく実家で過ごそうかと思っています。  


  • Posted by えだまめ at 17:31Comments(0)おかやま風景

    おかやま風景~水の月

    2018年06月01日

    キュウリの苗を土に植えてゆく。

    ほくほくとした感触が手に伝わる。



    おばぁちゃんのしわだらけの笑顔。

    ほんの一瞬で、疲れもやわらいでゆく気がする。



    トマトの黄色い花が、淡いグリーンの実をつけてゆく。

    えんどう豆は膨らんでゆく。玉ねぎのひげひげ。

    とびはねるカエルたち。田植えの日のしゃべり声。



    布団に入り込んで、あーだこーだサッカーの話をする子ども。

    色んな命に包まれながら、ふっと気をゆるせば、染みこんでくる、心深く。


    泣きたいような、笑いだしたいような、空をみあげたくなるような。



    精いっぱい5時起きして、夜9時には眠る。


    ご飯を腹いっぱい食べて、ぐーぐー夢を見て。

    いつのまにか新たな月になっていた。



    水無月は、水の月。


    どうか畑に豊かなみのりを。

    友人たちの心に平安を。


    かなしみある人に希望を。

    丘をこえて歩く人に一杯の水を。


    あらゆることが、良い風に、流れてゆきますように。

    つたない祈りの日々のなかで。  


  • Posted by えだまめ at 20:08Comments(0)おかやま風景

    おかやま風景~丘をこえて

    2018年05月27日

    山あいの街、備中高梁に来ています。


    農家さん夫婦、3人の子どもたち、おばぁちゃん、近所のおばちゃん。

    なんだかにぎやかな日々を過ごしています。



    黄色い花が咲いて、日に日に育ってゆくトマト。

    みずみずしい甘さや酸っぱさ。


    トマト以外にもキュウリとか玉ねぎとか、いろいろな野菜。

    ご飯には、たくさんのご馳走が並びます。



    今日は休みで、高梁市街を歩きまわりました。


    ふるい歴史ある街並み、新島襄にゆかりのある教会、山の上にある備中松山城、吹屋ふるさと村。

    歩き回りすぎて、ちょっと眠たいですが、行かれて満足(^-^)



    また明日から、がんばって働きたいと思います。  


  • Posted by えだまめ at 16:01Comments(0)おかやま風景

    おかやま風景~タイム・トラベル

    2018年05月21日

    夜行バスにのって、新宿から。


    途中、何回かパーキングエリアで休憩。

    足柄、刈谷、‥。普段、車に乗らないせいか耳慣れないポイントに停まってゆく。


    4列シートの隣には、20代前半と思われる若者。大学生だろうか。

    カーテンがしめられていて、景色が見えない。


    うつらうつら眠りかけたころ、車内のライトが点灯。定刻6時半、丁度に、岡山に到着。



    預けていたバックパックを車掌から受け取って、岡山駅構内へ。


    コインロッカーに、予め購入していたお土産とともに詰めこむ。


    しばらく駅ビル内のベンチで時間をつぶして、観光案内所で地図をもらう。




    岡山は、子どもの頃、5・6歳のときに暮らしていた街。


    駅前のロータリーは、なんとなくうっすらとした記憶がある。



    路面電車で、城下の電停へむかう。


    古い建物の残っている地区。軒先には鯉のぼり。


    旭川をわたる橋をあるく。

    ながらかな丘のような山々。鮮やかな緑。


    白いシャツの高校生たちが、自転車をこいでゆく。

    青春、そんな言葉がよく似合う。



    後楽園は、兼六園、偕楽園と並ぶ、きれいな日本庭園。


    広い庭園に配された池のむこうには、烏城と称される岡山城。

    黒い色あいの天守閣。


    後楽園・岡山城、通しのチケットを購入して、ぶらぶらと散歩することにした。


    よく晴れて、のんびりとした雰囲気。


    青い空に、新緑の美しさ。さわやかな風。


    月見橋をわたり、ちょっと汗ばむくらいに階段をかけ上がる。


    最上階からは、岡山の市街がみえる。


    目に優しい緑。大きすぎない市街地。


    ふたたび降りて、天満屋にあるバスターミナルへ。


    子どもの頃、来たと思うけど、すっかり忘れていた。



    ふたたび路面電車にのって、東山へ。


    終点まで、心地よい揺れにあわせて、懐かしい響き。



    お釣りを両替したら、手のひらには小銭の重み。

    大人のように冒険をする子どもの気分‥。



    ‥‥昔むかし、兄と僕とは家の裏を抜けて、田んぼの脇を歩いたものだった。



    父と母の姿。裏庭や、保育園や、預けられていた長屋。


    記憶の隅の断片がモザイクのように。鮮やかだったり、朧げだったり。


    歩きながら、時間を往き来し、辿ってゆく、胸の内。


    いっそ、住んでいた所を再訪しようか、とも思ったけれど。


    夕方の伯備線で、高梁へ向かうこともあり、再訪しなかった。




    高梁では、トマトの収穫。

    夜行バスであまり眠れなかったこともあり、今晩はゆっくり眠らなきゃ。


    あらたに会う農家さん。あらたな仕事。



    いっぱいどきどきもすると思うけど、がんばらねば。


    どうか、うまくいきますように。  


  • Posted by えだまめ at 15:21Comments(0)おかやま風景