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Posted by たまりば運営事務局 at

やまびこ

2014年10月01日

山小屋で働いていたことがあります。

13年ほど前のこと。20代前半の頃の話。



冬に旅先で知り合った木工作家のお姉さんが木曽の
職業訓練校に通っていて、春に遊びに伺いました。



そこで知り合った人から、近くの山小屋に夏の求人があることを聞きました。



梅雨どきに考えて、応募することに。


あっけないくらい簡単に電話口で採用が決まり、ひと夏、働くことになりました。




山小屋での仕事は、布団たたみ、部屋そうじ、食事の配膳。

おにぎりづくり、木の杖の焼き印、ぜんざいの温め、など。


同室になった大阪出身のお兄さんと、支配人のおじさんと、ともにはたらく日々。




兄さんは、山小屋を渡り歩いていたからか、やたら慣れている手つき。


自分ひとりどんくさいなぁと、いつしかハードな気持ちになっていました。




支配人は山男。


しっかり芯はつよくて、本当の優しさを感じさせる人でした。



今もありありと、顔を思い浮かべたり。

山びこのように、聴こえる声を感じたり。




ひまなとき、さびしいときは、山小屋の近くを散歩しました。



岩。高山の花。


透きとおる青い空。

虹の彩り。


太陽の光。たくさんの星。天の河。


つめたい風の心地。



山のなかでまた、元気になるとき。




じょじょに仕事にばててきて、山小屋での生活に辟易してきたころ。


麓に住む、あこがれの木工のお姉さんから、手紙が届いた日。



うれしかったこと。ちょっと照れくさかったこと。



青い便箋、まぶしげに読み返すとき。


なつかしい夏の思い出。





いま思うと、自分自身、結構調子に乗っていた気がする。


ネパールの山を歩いたり、外国をながいこと旅したり。



自信があるのかないのか、天狗の鼻は高く…。



でも、山小屋では、単なるやせっぽっちの若造。


支配人には、本当にお世話になり通しでした。



あの日々がなければ、山の素晴らしさを知ることもなく、山を歩いていなかったと思う。




ありがとうございます。


いつかまた、会いにゆけたらと思います。





御嶽山の、苦難にある人たちに、どうか限りのない安らぎがありますように。



心からの祈りをこめて。  


  • Posted by えだまめ at 21:22Comments(0)