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Posted by たまりば運営事務局 at

ことばの色

2014年11月19日

ことばのなかにある思い。


ただまっすぐな、思いだけがあるようなことば。


色や匂いまで伝わってくることば。




今日は、八木重吉という詩人の、生家あとにある記念館に行きました。



相原という駅から県道を歩いて1時間ほど。


よく晴れていて、南高尾山陵の山々を見ながら、歩きました。



紅葉に色づいた山。


多くの秋の詩を遺した、詩人の源風景。



記念館のまえには庭があって、たくさんの木がうわっていました。


さざんか。禅寺丸柿。さるすべり。


“素朴な琴”の詩碑。



インターホンを押すと、家のなかからカーディガンをきた方が、よくいらしたわねと出てきました。


蔵の扉をあけてもらい中へ。



本でみたことがあるポートレイトの写真。


数々の詩集。



手書きの原稿のまるっこい文字に、推敲のあと。

ひとつひとつの大切な言葉。


描かれた絵、丁寧な筆づかい、柔らかな色あい。



病床から妻にあてた葉書。


はやく来てほしいと、子どもみたいな懇願のあと。



ひんやりした壁に貼られた詩を、口にしてみると、溶けるような発語の自然さ。


景色が見えてくる、まっすぐにひたむきに、祈るような思い。



かなしみのなか。よろこびのなか。


思うこと、そのものを感じることば。


すっと心に入って、寄り添う思い。



素直にあらわれてくる表現。


簡素さにある余白への、想像のひろがり。

時々で、ただせつなく感じたり、明るさを感じたり。



解説をしてくださった方が、ひとりで味わうときもいいわよと、蔵の外へ。




ことばとの豊かなひととき。




あかるい蔵のわき、靴ひもを結んで、あいさつ。


あら、もういいの?またいらっしゃい、と言ってくれました。




かつて展示品が散逸したことがあるのを物語るカメラが、残念でなりません。


それでも、やはり八木重吉の詩とのときは、よかったなと思います。




詩人が幼いころにいた風景。


近くの神社の階段をのぼって、見た眺め。


時を経て、色々なものは変わっても、感じたつながり。




しばらく歩いて、途中からバスに乗りこみました。



法政の学生たちの姿。


匂うような青春、素晴らしいなと思う。




バスから降りたら、夕暮れどき。



晩秋の空のいろ。


あたたかく、寂しげで、澄んでいて、切なくて。



マフラーをまいて、駅の階段をのぼりました。




とてもいい日。


ことばを大切にしたいと思いました。  


  • Posted by えだまめ at 22:26Comments(2)