たまりば

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おかやま風景~小雨

2018年09月06日

気仙沼からは盛ゆきのBRT。


あおい海が見えてきた。

あらたな堤防とかさ上げの盛り土、つくりかけの街。

がらんどうに壊れた窓のない廃墟、奇跡の一本松。

よく晴れた空のした、痛ましい風景がつづく。



陸前高田のバス停に到着。

バイト友達のお母さんが、そこに立っていてくれた。


初めてお会いする方、でも友人にそっくりで、とても安心感のある人だった。

はじめまして。よく来てくれましたね。

ありふれた優しい言葉がこぼれるような声で。



とめてあった軽自動車を運転してもらって、高台にある団地のお宅へ。

陸前高田の景色が見渡せるところ。

駐車場で、お父さんと会う。おだやかな表情。

かざらない東北のひと。



玄関から、居間に通してもらう。


そこには、すこしかしげた友達の遺影があった。


ひろい大根畑で、一緒にがんばって収穫したことを思い出した。

鮮やかな手拭いで、声をかけあって、笑顔。




お母さんが、娘の好物だったんだと、冷麺をだしてくれた。


キムチと白ゴマをのせて、しゃきっとした麺をすすった。

なんだか、とても、とてもおいしすぎて、うれしくて。

アルバムをながめながら、お父さん、お母さんと、おもいでばなしを、ぽつりぽつり。


友達への想いがにじみでる、優しいとき。


あっというまに、たくさんの時間を過ごした。

どうも、ありがとうございました。



今度はお父さんに、車で陸前高田のバス停まで。




手をふって、しばらく待って、気仙沼ゆきのBRT。


駅からとぼとぼ歩いて港のほうへ。

ふるい旅館、金港館へ。


おばあちゃんが、いらっしゃいませ、ようこそ、と対応してくれた。

木造の味わいぶかい旅館。


あとで若おかみに聞いたら、かなり津波につかったとのこと。

がんぱっぺ気仙沼のハッピ、営業まで辿り着いた苦労は想像もつかない。

ここで一泊、お世話になれてよかった。



夕べの散策へ。


港ぞい、漁港施設へと歩く。

まだまだ津波の傷痕は癒えないまま。

それでも、動き出している生活を感じる。


おじさんや若者が、釣り糸を垂らしていた。


晩ごはん、何をたべようかな、とうろうろしていたら懐かしい家にともる灯り。

あぁ~、前にボランティアでおとずれた雀荘だ!

そのときは一階が壊滅していて、二階を片付けたんだった。


おそるおそる玄関をあけてみる。


そしたら、地元のおっちゃんたちが麻雀に熱中していた。

わぁ~、なんだかこちらまで胸が熱くなってきた。

うれしすぎて、じ~ん!


お客さんのひとりに声をあけたら、お客さんだよ~と奥にいたお母さんに声をかけてくれた。

どうぞ、どうぞ、いらっしゃい、と居間に通してくれた。

おじいちゃんもソファーにぽんっと座っていた。


手づくりのしそジュースが酸っぱくて、おいしかった。

あのときはいっぱいいっぱいだったけど、ようやくここまで来たよ、って。

お家の広島は大丈夫だった?って気遣ってくれたりして。


お元気な姿に、ただただ胸いっぱいになりっぱなし。

再会のうれしさ、がこんなに大きいなんて。


どうも、ありがとうございました。



帰り道、ラーメンと小ライスをたべて金港館へ。


お風呂に入ったらぽかぽか。

テレビを消して、夜の闇へ。




朝ごはん、しっかりご飯をたべて、若おかみにごあいさつ。

しゃきっとしたすてきなとき。行ってらっしゃい。


帰りの電車はずっと小雨。


一ノ関、小牛田、仙台、福島、郡山、新白河、黒磯、宇都宮、赤羽、新宿、新百合、鶴川。


とてもとても長い旅。

悲しくて、流れて溶けだす車窓。



帰りぎわ、赤羽の近くで、陸前高田の友達のお母さんから、来てくれてありがとう、ってメールをいただく。


うれしくて、感謝、優しいことば。



おかやま風景、なんだか、とても思い出ぶかい旅になりました。


岡山から北陸、みちのく、ずいぶん長い道のりでした。


読んでいただいて、ありがとうございました。


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