たまりば

地域と私・始めの一歩塾 地域と私・始めの一歩塾三鷹市 三鷹市

スポンサーリンク

上記の広告は、60日以上更新がないブログに表示されています。
新たに記事を投稿することで、広告を消すことができます。  

Posted by たまりば運営事務局 at

四国お遍路日記~坊っちゃんと温泉

2011年04月26日

今日は本当に気持ちの良い天気でした。
いまは松山に来ています。
道後温泉のすぐ近くにあるライダーハウスに宿泊。
湯上りのほかほかしたまんまです。

松山はいままでお遍路をした中でも最高の町。
若い人もお年よりもとても元気な町だと思います。
路面電車に温泉にお城に正岡子規。書きたいことが多すぎて、なにから書くか迷います。

ここの路面電車は素晴らしいです。
今朝はまず"坊っちゃん列車"に乗りました。
レトロ感のある車両。がたがた揺られて窓をあけると春の薫る風。
若い車掌さんが3人、きびきびと働いていました。

他におもに2種類の路面電車が走っています。
オレンジ色の昭和っぽい車両と新鋭の低床車両。
製造年代の違う車両が元気に走っているのに、とても感動します。
原点を残して、使える車両は捨てずに大切に使い、新しいものを取り入れる。
そんな気風が松山にはあると思います。
若い人もお年よりも学生も背広の人も主婦も乗り込む市民の足となっています。

遍路札所の石手寺に入ったときに、筆で大きく「皆一緒」と書かれていました。
お互いを大切に思いながら、寄り添って生きている、そんな温かな風土を感じます。


市内にはいたるところに、正岡子規の句碑を見かけます。
正岡子規の俳句をみると、さまざまなことを感じます。
美しい風景。なにげない日常。故郷を慕う気持ち。病の絶望感。くすっと笑えるユーモア。
シンプルな言葉ですくない言葉数で表現される世界の深み。
見たままを感じたままに写しだされる世界に、どんどん引き込まれてゆきます。

子規堂を訪れると、晩年に正岡子規が描いた水彩の絵が展示されていました。
亡くなるすこし前に描かれた糸瓜(へちま)の淡い緑色がとてもきれいで、不思議な感じがしました。
仲間達を八百屋の野菜にたとえた作品には、子規の人にたいする眼差しを感じます。
夏目漱石は柿にたとえられていました。味わい深く、渋い、と。

松山は俳句の町といわれるだけあって、俳句甲子園とか俳句ポストとか、活動がさかんです。
市民のかいた作品に、いいなぁと思ったり、そうだなぁと思ったり、違うよなと思ったり。
いっぱしの評論家になった気分です。言葉のもつ小さくて豊かな世界に包まれて生活している
松山の市民はとても素敵だと思います。


ロープウェイにのって、松山城にも行きました。
天守閣に登ると、観覧車や山々や海が見渡せて、もの凄い爽快感!


久しぶりに理容室で散髪もしました。
もっさり重たくなってた頭がさっぱり。
シェービングクリームを塗りたくられてカミソリをあててもらう気持ち良さ。
理容師のおじさんの素早い手つき。


夕日にそまるオレンジ色の市電に乗って宿に戻る。
支度をすませると、温泉近くの食堂でじゃこ天うどんを食べる。
生真面目な顔で注文をとるバイトの高校生の女の子。


道後温泉の本館は、昨晩・今晩と通っています。
いくつかコースがあって、1階の大衆浴場の入浴と
2階の広間で茶菓子とお茶とレンタル浴衣のセットを選ぶ。
ここの温泉は本当に最高です。
ちょうど良いお湯加減に身体がほぐれてゆく。
お年寄りもおじさんも若いひとも、地元のひとも観光のひとも、刺青のひとも
昨晩は皇室専用風呂を見学したりもして。
ひとつの建物のなかで、老若男女が皆一緒になってお風呂に入る。
たまった垢や汚れを洗い流して、新しい源泉が心からも身体からも湧きあがってくるように。


ずいぶん夜も遅くなってしまいました。
お遍路の途中のことも書きたかったのですが、ここまでにします。
遍路はまだまだ続きます。ひとつひとつの出会いを大切にしてきたい。
ではでは、おやすみなさい。


  


  • Posted by えだまめ at 00:51Comments(3)四国遍路