たまりば

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Posted by たまりば運営事務局 at

12月の雨の日

2012年12月03日

いきつけのコインランドリーでの話。


白いコートを着た50代程に見える女性が
乾燥機の前で困ったように機械を見つめていました。


よくわからないのよねぇ、と言うので
ボタンを操作してみたら無事に
ゴゴゴーと動きはじめました。


おいてある安物のソファーに腰掛けて洗濯の仕上がりを待っていたら
彼女と目があってぽつぽつと話を始めました。


聞いていると近くの洋菓子屋のメニューについての話を皮切りに
介護の仕事をしていたことや雇いどめにあったこと
今晩泊まるところがないこと。僕くらいの齢の息子がいることなどを伺いました。


例えは古いけど幸田シャーミンさんみたいな
どこか上品な雰囲気のある物腰の柔らかい方で
彼女の意外な話の展開に僕のほうが戸惑ってばかりでした。


今晩は24時間のファミレスで夜を明かすつもりだと話していました。


洗濯が終わるとさっとポーチから自分で調合したというカレーパウダーを取り出しました。

“身体にいいから試してみてね”と言って…。

小銭と交換にありがたく頂きました。



2週間ほど前のこと。

今になってあらためて思い出します。



彼女にもっと違う言葉をかけられたら
缶入りコーンポタージュでも差し入れていたら
支援のNPOを紹介していたら…。


彼女の心境を想像し、せめてもっと心を寄せていたらと。



凍てついた氷雨の空を見上げては
その日のことを行きつ戻りつ力なく反芻するばかりです。


一期一会の縁はきっとメッセージ。

愚かな自分にも何かを伝えている気がします。  


  • Posted by えだまめ at 21:58Comments(0)