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Posted by たまりば運営事務局 at

山形・枝豆~喜多方ラーメン

2018年10月24日

いよいよ農園をはなれるという前日。


おいしいラーメンをもとめて、自転車をこいでゆくことにした。


いやいや、自転車じゃなくても、とは思うが。

数年前に米沢~喜多方のバスは廃止され、鉄道も通っていない。

大峠という峠には、4㎞ほどの長いトンネル。


農家さんから、喜多方までは、片道30㎞以上はあるな。


それでも、行きたい!と思ったのはなぜだろう。


ずっと気になっていた街、喜多方。

ひと目でも見られたら、ひと足でも歩けたら。


そんな気持ちが、ペダルをこぐ原動力になっていた。



青いマウンテンバイク。

かつて父も、自転車で玉庭に辿り着いたという。


フィンランドでお世話になった園主さんも、ドイツから自転車で、パンクしたところで住み着いたという。

憧れと好奇心、情熱と疾走感、爽快さ。



一応、タイヤに空気をいれて出発。


色々と大変なことも多かった。

かるくずっこけたりなんかして。

父の、気をつけて行けよ、って声が耳にのこる。


景色は会津の深い谷。色づきはじめた山々。

風の匂いは爽やか。

青く高い青空。


なぜだろう、二十歳くらいの自分にふと語りかけるような気分。

がんばれよ、でも、元気でな、でもなく、ただ、そばにいるよ、と。


ペダルは重たい。

通り過ぎるトラックの風圧によろける。


峠のトンネルをこえると、幾つもの小さなトンネル。


くだり坂になって、スピードがあがる。

こんなときほど、慎重に。

いたってフラットな感じで、でも否応なく興奮しているのが分かる。

たかがラーメン、されどラーメンである。

脳裏にはラーメンの色や匂い、味わい。

あともうひと息・・。


喜多方市街に到着。

久しぶりの信号。コンビニ。ほんとに蔵の街だ。

迷っちゃったりしたが、たまたま話しかけたおじさんから美味しいラーメン店の情報を伺う。


分かりにくいお店では、これまた、道を尋ねたおばちゃんがママチャリで先導してくれた。

この角の先よ。

そこには、老舗のラーメン店の暖簾。

一杯しか食べないつもりだったから、チャーシュー麺。


うんうん、この縮れ麺。濃いめの醤油ラーメンスープ。

五臓六腑にしみわたってゆく~。

幸せな気分で店をあとにする。

喜多方を自転車でこいでいたら、酒蔵の煙突がおおいこと。


手やきせんべいを手土産に購入。


もう一杯、食べよかな。


先述のおじさんにきいた店のひとつ、うめ八へ。

ここはちょっと並んだ、帰りの時間が気にならないこともないが。


カウンターからは、マスターの手早い所作。

きれいなスープも麺も。


2014年に暖簾分けしたという新しい店。

お客さんは、近所の女子高生や、工事屋さん、遠方からと思われる観光客、と、さまざま。



すすってみる。

うん、これは好み。

麺がスパゲッティーみたいなつるつる。

最初はなんだか、なじめなかったけど、バランスがいいんだなぁ。

また食べたい、と思う味。

現代的にアップデートされた老舗の味、という印象。


満足・満足。


これから、いよいよ来た道をかえることに。


心配とは裏腹に、気持ちいい帰り道。

秋風とラーメンは相性がいいなぁ、とか思う。



途中、かつての鉄道の廃線跡にのこる熱塩駅をおとずれる。

駅舎が資料館になっていて、古いSLと木造の客車が保存されている。

かなりきれいな保存状態。


美しいと心のなかで呟く。

まるでスリーナインの星野哲郎になった気分。


15分で切り上げなきゃ・・。

後ろ髪ひかれつつ、自転車の旅はつづく・・。


のぼり坂きつい。しばらく手押しのガマンの時間帯がつづく。

やっとこえた峠。


道がわかってる、というのはいいもんだ。

遠足の帰り道が、心理的に短い時間だと感じる理由のひとつ。

このまま進めば、きちんと帰れる、そんな声なき声を胸に。




ほんとに順調にすいすいこいで、途中、防寒にウィンドブレーカーを羽織ったりして。


暗くなるまえに、玉庭につくことが出来た。


夕暮れどきの、稲の作業をした黄金色にかがやく田んぼ。

足をとめて、シャッターをおしながら。


今日、何度目かの満足感に包まれていた。  


  • Posted by えだまめ at 08:21Comments(0)山形・枝豆