笑顔
へへ…と笑ったら、なんだか心がかるくなった。
大切なものを忘れたり、大切なことを思い出したり。
もしも記憶がほんとうに確かなものなら。
不確かで曖昧で、やわらかな記憶。
思いだすのは、生まれた日のこと。
まだ朝はやく。
はいはいと這ってゆく姿。
人生は山あり谷あり。
いまはどのあたりを歩いているのだろう。
月の優しさと太陽の熱さ。
光のなかを行ったり来たり。
ときに焦がれ、恵まれ、今を生きている。
思いだすのは、海辺の友だち。
おおきな波に襲われたリアスの街。
ずっと笑顔をたやさなかった。
少なくとも、僕には。
いろいろな素顔。
悼む火の煙りのなか、今も語りかける。
思うのは、夢みたいなイメージ。
向きあって、あっちむいてほい、といって、けらけら笑う。
腹筋がいたくなるくらい。
縁側なんかで、お茶をのみながら夕日を見る。
ベランダあたりで、風に吹かれて明日をうらなう。
夜になり、朝をむかえる。
鳥の声。花の蕾。
ふっとやわらいだ気持ちになる。
芽吹いて、咲いて、枯れてゆく、ながい日々のリズム。
無理につくらなくても、自然に浮かんでくる表情。
色々をあらたに塗りながら、これからも歩いてゆく。
大切な色を、心に。
へへ…と笑ったら、かるくなって、まるくなった。
風船みたいなこころを、ぽんぽんと手のひらでとばしてみる。
こっちをむいて差しこむ陽ざしのように。
まるでそこにある、あかるい笑顔のイメージ。
ありがとう…(^^)
今日が、いい日でありますように!