おかやま風景~まるを描く
そっとコンパスに手をそえて。
ちいさな指先から幾つもの円が描かれてゆく。
ときにゆがんだり、はみ出したりしながらも。
兄ちゃん、と呼ばれてた僕と、彼ら。
彼らは、勝手に部屋に入ってきてはかくれんぼ。
思わぬベッドの下や、扉のかげ。
わっと大声をあげて、僕の肝を冷やそうとする。
そのたびに熱くなるような気持ちに、内心なっていた。
一緒にテレビでみたサッカーや、映画。
けん玉の技をつぎつぎと披露してくれたり。
きっともっと言いたいこともあるだろうけど。
ただただ甘えてきて、抱っこしてみたり。
さまざまに回想しながら。
高梁でのトマトの日々がおわり、いまは尾道の実家にきています。
途中、岡山で小1の頃に通っていた小学校にも寄ってみました。
道をたずねては、たどり着いた校門。
ちょうどプールの季節の、にぎやかな声。
子どものころへ、時をかけるような、懐かしい感じ。
バスで岡山までもどって、しばらくまた歩いて。
なかなか言葉にならないままですが、とても充実した、おかやま風景でした。
時々、高梁から、声がきこえてくる気がしながら。
近所のおばぁちゃんの、じゃろう、じゃろう、って柔らかなひびき。
優しさに包まれた岡山の日々、どうもありがとうございました!
あとしばらく実家で過ごそうかと思っています。
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