せとうち渚紀行~12月の海

えだまめ

2019年12月26日 19:26

ペダルをこいで走ってゆく。

よく晴れた日、陽のひかりを追いかけてゆくように。


島の斜面には柑橘の畑。

海の砂浜におりて、貝殻をみる。

歩いたあとが、靴底のぎざぎざになって、なんだかうれしかった。



ずっとずっといくと、昨年の豪雨の通行止めで逆回り。


トンネルをぬけて、登り坂をこいでゆく。

自転車をとめて、ちょっとけもの道めいたところを、枯葉をふみわけてゆく。


人気のないちいさな灯台にたどり着いた。

そこからみえる海。船が行き来してゆく白い航跡。


畑のわきの、島の対岸がみえる穴場でラジオを聴いた。


聴きなじみのある声がきこえて、泣きそうになった。

おだやかな海を、ただただ見つめていた。


ほっとしてうれしいときだった。



12月の海の色。

みちてはひいてゆく波のサイクル。



さらに南へいって夕陽をながめて、実家に戻った。



メリークリスマス。

読んでくださる方にも、どなたにも、あたたかなときになりますように。


よいお年をお迎えください。

関連記事