たまりば

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2013年11月28日

つむじ風が枯葉を舞い散らせる夜。

窓をたたく風の音で眠れなくなった。


ひらひらと、どこへゆく。

涙が青い枕に滲んでゆく。



朝になるとカーテンの隙間から陽がさした。

このまま一日中眠りたいところだけど
パンとコーヒーの簡単な朝食をとり洗濯をすませて出かけた。


電車とバスを乗りついでゆく。


車窓から紅葉の山々が見えてきた。

バス停を降りてしばらく歩く。


畑からはひび割れたラジオの声。

民家には季節はずれの風鈴が提げられていた。


びっこをひいた人とすれ違ったきりの静かな舗道。


竹林を抜けてゆく。

蔵のある家からは何かを燃やしている煙の匂い。

やがて川の流れのある場所へ。


林のしたには地蔵さまが佇んでいる。手をあわせる。


広沢寺温泉の玉翠楼という旅館につくと
若女将が出迎えてくれた。

柔らかな笑顔にほっと安心する。


池のある庭を通って風呂の棟へ。

服を脱いで露天の岩風呂へと。


入社したばかりの若者ふたりが一年で100万貯めるにはと話している。

かたわらで、定年間近の銀行員ふうのおじさんが無言で目をつむっていた。



身体を洗って湯舟につかると温かいぬる目のお湯に心地がよくなった。

手も足も伸ばしながら。


ひとひらの楓が湯に浮かんでいた。

昨晩のつむじ風に舞ったのかな。

なんだか身近な気分になりながら葉を眺めていた。



お風呂から上がるとソファーにしばらくくつろいでから外に出た。


山間部の早い夕暮れどき。


川のながれる音を聴きながら歩くと落ち着いてくる。

土と草の匂いがした。


バス停にもどるとバスは行ったばかりで30分待ち。

ベンチに座りながら日が暮れるのを眺めていた。


あわいオレンジにブルーが溶けあってだんだんと濃くなってゆく。

ひとつの星が光っている。


駆けぬけるダンプの音。ベンチの隣にいる黒いコートを着た女の人。


やがてバスのライトが見えてきた。


また乗りついでアパートまで戻ってきた。


いい一日だった。

笑ったり泣いたり、エモーショナルな日。


民生さんの歌詞にも笑う人には笑っといてもらおうとある。

なんだか元気をもらえた。



今晩は豚汁をつくろう。

おかずはじゃこ天とポテトサラダ。


たくさん食べて、明日をむかえよう。




  • Posted by えだまめ at 21:02│Comments(0)
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