たまりば

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Posted by たまりば運営事務局 at

白駒池ハイク

2013年10月21日

バスが高度を上げるにつれて霧が深くなっていった。


終点の麦草峠に着いたのは昼前。

肌寒く感じて着こむ枝豆色のジャケット。


大きな駐車場をぞろぞろ降りる人たちの賑わい。

10月の週末。

こりゃすごい人だな、俺もそのひとりだけど…
と、思うのも束の間、歩きはじめた。



シラビソなどの木々。

鮮やかな苔。くすんだ苔。
幾種類の苔があるのだろう。

豊潤な苔の世界が広がっていた。

いつか見た屋久島の景色を思いだす。


時は流れてゆく。

苔に流れている時とヒトが感じる時は同じだろうか。

ゾウにもサルにも同じ時が流れている不思議。



木道の上を歩いてゆく。

分かれ道を左に、青苔荘へ。


白駒池が見えた。

湖面からは白い霧が立ちこめていた。

曇り空も霧も水面も同じ色。

静寂な木々。穏やかな波。


やっとここまで来たな、と感じる4回目の八ヶ岳ハイク。

ここからまた歩きだせそうな気がした。



薄くなってゆく霧の気配。

静寂なひとときは行楽客の賑わいに消えた。


坂道を登り高見石へと。


苔に幾重にも包まれる柔らかな心地。



高見石小屋に着くころにはお腹が空いていた。

タイトな行程を進む急ぎ足を休めるとき。


小屋に入るとストーブが焚かれていた。

木のテーブルには天窓から差しこむ光。

たくさんのランプがぶら下げてあった。


ご主人と宿泊客の山ガール姉さんが話していた。


やがてきたラーメンにあったまり
あげたての揚げパンが本当においしかった。


ふたたび歩き。渋の湯へ向かう。


森を抜けて岩だらけの道へ。

石から石をぴょんと跳ねて歩く。


今までの人の多さが嘘のように空の下にひとり。

駆けおりてゆくと、意外な人に再会した。


今から12年ほど前、地図会社に勤めていた頃の同僚だった。

お姉さんと一緒の旅。

ゆっくり話せなかったけど
なんだかとても嬉しかった。


カレーを食べに行ったり、古くなったテレビをもらったり、お世話になった友達。

人生はそれぞれ、色々の面白さ。


立ち話もつかの間、また坂道を降りてゆく。

岩から森へ。


渋の湯に着いて、そこからバスに乗り込んだ。


黄葉した木々。

空が晴れてゆき、眼下に裾野が広がっていた。


隣の乗客はザックからカメラを取り出して写しはじめた。


陽に照らされて、野一面が明るく染まっていた。  


  • Posted by えだまめ at 22:57Comments(0)